年々墓じまいの件数が増えております。
お墓を売る側にとっては少し胸の痛くなるようなことですが仕方ないです。
先日は数年前に弊社が卸したお墓が墓じまいされることになり、悲しい気持ちになりました。
この墓じまいには現在日本が抱える問題が詰まっているような気がします。
今回の記事では私が実際に墓じまいをお手伝いさせて頂いた事をお話ししたいと思います。
今回の墓じまいはどんなケースだったのか?
具体的な地域の名前は変えてお話します。
依頼主Fさんは長崎出身ですが今は関西に住んでおられます。
FさんのいとこのAさんを通じて今回M社に依頼が来ました。
そして私が今回お手伝いさせて頂いた石材店のM社です。
現在Fさんは関西に住んでおり、今長崎市にあるFさんの実家の墓を処分して関西の自宅近くの永代納骨堂に収める、という依頼です。
ちなみにAさんとFさんのお墓は隣同士です。
今回の業務内容
- お墓と墓誌を壊し更地にする
納骨堂が縦穴式で入口は狭かったのですが納骨堂の中は人が作業をできるくらい広い
- 仏様(お骨の整理)8名分
今回の関西の納骨堂では4寸の骨壷を使うのでお骨の量をかなり減らす必要がある
- お骨の再火葬
市役所などでの手続きの補助
- 墓所の再販売
更地になった墓所を販売する
墓じまいには色々考えなければ行けない問題がある
今回問題となった部分(私が疑問に思ったこと)ですが、上記の②と③です。
まず②ですが、お骨を出す時にお骨が誰のお骨かわからなくなったこと。
一般的に骨壷のどこかに亡くなった方の名前を書いてあるのだが、今回8名中4名は誰の骨か分からなくっていました。
骨壷も泥がかかり状態はかなり悪かったです。
永代納骨堂(室内型)には収納限度がある
やはり室内では収納量に限度があります。
今回のケースは関西の永代納骨堂は6名分しか収納できないということです。
8名の仏様がいるのに6名?頭が点になりましたが、ご要望通りにしなくてはなりません。
実質的に言えば、Fさんご夫婦も将来その永代納骨堂に入るので、長崎からは4名分しか関西へは持って帰れないのです。
しかも今回は4寸の骨壷しか使えないそうで、かなりの量のお骨を減らさなければなりません。
お骨はどう処理するの?
今回は8名中4名しか関西の納骨堂へ持って帰れないでどのように処理するのかが一番頭の痛い部分でした。
ひとまずFさんの意向を聞こうと思い、依頼主FさんへAさんからお話をしてもらいました。
永代納骨堂(室内へお骨を納める場合)が及ぼす問題
上記に書いた通り、永代納骨堂には収納できる限度があります。
一般的には大体6名〜8名くらいが限度だと思います。もし10名くらいのご先祖様がいた場合どうなるのでしょうか?考えただけでゾッとします。
今回は再火葬のすることになり、もう一度火葬することでお骨の量が減ります。
依頼主FさんとAさんと話し合った結果。
Fさんのお父さんとお母さんで2名(骨壺2つ)おじいさんとおあばさんで1名(骨壺1つ)であとのこりの仏様を4名分を骨壷1つにおさめることになりました。
①Fさんのお父さん
②Fさんのお母さん
③Fさんのおじいさんとおばあさん
④他の4名のお骨
再火葬後骨壷に入りきらなかったお骨は火葬場の方に処分して頂くことになりました。
骨壷に入りきれなかったお骨に対しては大変申し訳無かったのです。
今回はこの方法をせんたくするしかありませんでした。
このように収納に限度ある永代納骨堂ではご先祖様を全員納めることができないケースがあり、ある程度お骨を処分しなければなりません。
仕方のないことかもしれませんが、お骨の量を減らして残りのお骨を火葬場の方に処分してもらうのは少し切ないような気がます。
私が嘆いても何もなりませんが…
今後の課題
今後の課題としてはやはり別の地域へお墓へ引っ越しや永代納骨堂へ移っていく時に一緒持っていけないお骨をどうするのか?ということが課題になると思います。
新しい場所に十分なスペースがあればよいのですが、もし十分な収納スペースが無い場合は処分しなければなりません。
そんな時に役に立てる方法を考えなければなりません。
新しい場所や方法を見つけることが私の仕事になっていくと感じています。
まとめ
今回墓じまいをお手伝いして現在日本が抱えている問題を直に触れることができました。
私自身も将来抱えるかもしれない問題に、早めに手を打っておきたいと思いました。
先祖供養のあり方をもう一度考え直す良い機会にもなりました。